中国人技能実習生のカンパ(2011年末)

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 忘れないように、書いておきます。 
 昨年末は、中国人技能実習生の労災事件を,交渉によって短期間で解決できました。被災者の彼は、中国の正月(旧正月)前に帰国できることをとても喜んでくれました。
 彼に事務所に来て貰って、通訳さんを通じて、報酬と費用の説明をして、それを差し引いた解決金を渡しました。ところが、彼が何か言いたそうにしています。報酬金額に不満があるのかと思って聞くと、「先生は、実習生のためにがんばってくれています。中国人技能実習生の労災認定を勝ち取ったことは、中国でも報道されたので、私の家族も知っています。それで、家族と相談して、先生にお礼をすることにしました。」と言って、決して少なくない金額を、私に渡そうとしました。「ありがとう。でも、君は、労災で障害も残っているのだから、この解決金を中国に持って帰って、今後の生活のために使うべきだ。気持ちは分かったから、これは持って行ってください。」と話したのですが、彼は、「このお金は、他の実習生のために使ってください。これは、家族と相談して決めたことなので、変更することはできません。受け取ってください。」と言うのです。ありがたく、そのお金を受け取りました。
 昨年末は、かなり疲れ果てていて、ちょっと気が滅入っていたので、涙が出るほどうれしかったです。今でも、彼の声が聞こえ、顔が目に浮かびます。
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