法学セミナー2月号に「日本ヒューレット・パッカード事件」を執筆しました

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 法学セミナー2013年2月号の「最高裁判決2012-弁護士が語る」という特集で、「日本ヒューレット・パッカード事件」を執筆しました。この特集は、最高裁判決の事件を担当した弁護士が、原告との出会い、証拠の収集、裁判を乗り切るための戦略、どのような想いで訴訟を追行したのかなどについて述べるというものです。この事件では、訴訟戦略について苦労したので、その点などを率直に述べました。
 法学セミナーは、法学を勉強している学生や司法試験受験生の読む雑誌。私も、受験生の頃には愛読していました。

 本件は、無断欠勤を理由とした解雇事件。一審で全面敗訴。控訴審で逆転し、最高裁でもそれを維持しました。控訴審で、二次的主張として、(精神疾患に罹患した労働者に対する)使用者の配慮義務違反を主張しています(これは、仮に、労働者の申告した被害事実が存在しなかったとするとという前提に立った主張です。)。最高裁は、この点について判断するために、会社の上告を受理した上で、理由をつけて会社の上告を退けました。最高裁は、精神疾患に罹患した労働者に対する企業の配慮義務を明確にする必要を感じて、上告審判決を書いたと思われます。

 なお、本件については、労働法律旬報No.1780・11月下旬号で、一緒に本件を担当した嶋﨑量弁護士が、「精神的不調を抱える労働者に対して求められる対応~日本ヒューレット・パッカード事件最高裁判決をふまえての考察~」を執筆しています(2012.11.13ブログ参照)。

法学セミナー 2013年2月号   通巻 697号

http://www.nippyo.co.jp/magazine/maga_housemi.html

[特集]
最高裁判決2012
──弁護士が語る

マンションの共同利益に反する行為に当たる場合判決……大坪和敏
ピンク・レディーdeダイエット事件……伊藤 真
人身傷害保険の支払による保険代位の範囲……近藤明日子・青野 渉
再度の時効取得と抵当権の消滅……鳥生尚美
日本ヒューレット・パッカード事件……指宿昭一
オリンパス配転無効・パワハラ損害賠償事件……中村雅人

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