依頼者に在留特別許可が出ました!

本日、私の依頼者の中国人女性に、在留特別許可(在特)が出ました。永住者の配偶者として1年の在留期間です。おそらく、1年後には更新が認められます。

在特は、在留資格のない外国人に対して、法務大臣がその裁量により特別に在留を許可するものです。

この女性は、ある事情から在留資格を失ってしまったのですが、永住者の中国人と結婚することを決め、婚姻の準備をしていたところ、入国管理局に収容されてしまいました。その後、婚姻届を出したのですが、入国管理局は、退去強制令書という文書を発付し、彼女に帰国を命じます。しかし、夫は日本で生活の基盤を築いており、中国への帰国はできないため、夫婦で日本に残ることを決めました。

この時点で、私たち(弁護士2名)が相談を受け、退去強制令書発付処分取消訴訟という行政訴訟を提起し、仮放免という手続きによって、入国管理局から出ることができました。しかし、仮放免を受けても、国民健康保険に加入できないなど、様々な不利益がありました。裁判は敗訴しましたが、控訴はぜず、再審情願申立てという手続きを行って、在特を求めました。

その後、彼女は、重い病気になり、妊娠もしたのに、健康保険が使えないという状況で、苦しみます。手術をしなければ母体も胎児も危険という状況でも、国民健康保険未加入の状況では、手術のための入院ができません。当該の夫婦と私たち弁護団と支援者が一丸となって、入国管理局に緊急の在特を求めますが、結論が出ないままに、出産。幸い、母子共に無事でした。

そして、本日、在特が出たのです。再審情願申立から、約8ヶ月後でした。彼女は、「本当にうれしい。先生やみんなのおかげです。夢みたい!」と言っていました。

非正規滞在外国人の中には、日本に家族がいたり、長期にわたって日本に滞在したため日本に生活の基盤が確立し、母国に帰っても生活できない人がたくさんいます。そういう場合には、入国管理局は、もっと速やかに在特を出して、日本社会に受け入れていくべきだと思います。今日、彼女が在特を得たことを喜ぶとともに、彼女のように、在特が出るべき非正規滞在外国人たちに、一日も早く、在特がでることを願います。

 

 

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