「専任教員との賃金格差は違法」として中央学院大学非常勤講師が大学を提訴

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中央学院大学非常勤講師が、専任教員との賃金格差は労働契約法20条に違反し無効であるとして、大学に対して約3000万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に提起しました。私も弁護団の一員です。(指宿)

「専任教員との賃金格差は違法」、非常勤講師が大学提訴(朝日新聞)
http://www.asahi.com/articles/ASJC156JMJC1ULFA01H.html

  労働契約法20条により大学非常勤講師の待遇改善を求める!
「中央学院大学に対する小林勝さんの裁判闘争を支援する会」
     への参加を呼びかけます

 いま、全国の小・中・高等学校や大学そして予備校や塾では、大量の非常勤講師が働いています。生徒・学生から見れば、専任教員と何も変わらない「同じ」先生に見えるのですが、非常勤講師と専任教員の賃金その他の労働条件には雲泥の差があり、とても「同じ」先生とは言えません。
 小・中・高等学校や予備校・塾の非常勤講師の待遇には、それぞれ固有の問題がありますが、大学の専業非常勤講師の待遇は、特に劣悪です。
 専任教員の場合、大学によって異なりますが、週5~6コマ程度の授業を担当し、教授会・委員会等の教育行政も担いますが、年齢や職位(助教または専任講師、准教授、教授)によって年収は、だいたい700万円から1500万円になります。さらに社会保険(私学共済、公務員共済、厚生年金)の使用者負担分、退職に備えての使用者による積立金、研究費や研究室・電話の使用等の便宜供与があり、その分は150~200万円になります。
 それに対して、大学の非常勤講師の1コマ当たりの平均月額支給額は、2万5000円~3万円であり、年収に換算して30~36万円にすぎません。専任教員並みに、週6コマの授業を担当しても、年収200万円程度です。
 大学は、一人の非常勤講師に、専任並みの5コマも6コマも持たせることは滅多にありません。そのため専業の非常勤講師は、複数の大学の講義を掛け持ちし、なんとかやりくりしています。こうした「コマ切れパート」の非常勤講師が、大学授業の50%前後を担当して大学教育を支えているのが現状です。
 一大学で複数のコマを持っても、大学が社会保険に加盟させることは滅多にありません。そのため専業非常勤講師は、国民年金や国民健康保険に自分で加盟して、その掛け金を、少ない給与から全額自分で払い込んでいるのです。
 日本の高等教育の約半分を担う大学非常勤講師の劣悪な待遇が、このまま放置されてよいわけがありません。
*              *
 小林勝さんは、中央学院大学に20数年間、非常勤講師として勤務しています。そのうち20年近くは、専任教員の義務的コマ数である5コマを超えて、週6~8コマを担当してきました。一大学で、このように多数のコマを長期間にわたって持たされることは例外的であり、小林さんが不当に差別され続けてきたことは、余りに明白です。2016年度からは週5コマに減らされましたが、それでも専任教員の義務的担当コマ数と変わりありません。週3日出校して、月額給与は16万円、年収は190万円程度で、大卒の初任給にも及びません。もちろん退職金もありません。
 小林さんは1年以上、学校法人中央学院理事会と団体交渉を重ね、雇用形態の違い、すなわち1年ごとに更新される有期雇用であることを理由に不合理な賃金・労働条件を強いることは、「労働契約法20条」が禁じていることを根拠に、大幅な処遇の改善、「均衡待遇・均等待遇」を要求してきました。しかし、中央学院大学の佐藤英明学長(哲学・倫理学)等は、そもそも非常勤講師の給与は、専任教員のそれと比較して「均衡がとれている」と、うそぶいています。
 小林さんは、団体交渉を通じて話し合いを重ね一定の回答はあったものの、誠意ある回答が行なわれる可能性はないと判断し、「労働契約法20条」違反を理由に、学校法人中央学院理事会を提訴することになりました。
 同一の大学で専任並みのコマ数を担当している小林さんの「均衡待遇・均等待遇」を求める闘いに勝利することは、多くのコマ数を複数の大学で担当することを余儀なくされている全国の多くの専業非常勤講師の待遇の「不合理」や全国の大学の雇用責任を浮き彫りにすることになり、専業非常勤講師の待遇改善の闘いを強力に後押しすることになるもの、と確信しています。
 多くの皆さまの「支援する会」への参加をお願いいたします。

           【呼びかけ人】

赤松範夫(弁護士)  荒川真佐子(世田谷区教職員組合特別執行委員) 伊藤誠(経済学者) 長南博邦(野田市議会議員) 海渡雄一(弁護士) 金澤寿(全労協議長) 金子勝(立正大学名誉教授) 小林誠一(さくら医院院長) 斎藤隆康(ユニオンネットお互いさま委員長) 嶋崎英治(三鷹市議会議員) 白石孝(NPO官製ワーキングプア研究所理事長) 鈴田渉(大阪労働学校アソシエ講師) 舘幸嗣(中央学院大学法学部教授) 津和崇(労働問題研究委員会代表) 野崎佳伸(世田谷区職労元執行委員) 浜田嘉彦(全国山林労働組合中央執行委員長) 平澤修(中央学院大学法学部教授) 福士敬子(元都議会議員) 保住敏彦(愛知大学名誉教授;経済学) 前田純一(税理士事務所職員) 宮坂要(国労中央本部元書記長) 森博行(弁護士) 吉原節夫(労働ジャーナリスト) 
 
 賛同金■個人 年間 一口 1000円 ■団体 年間 一口 3000円
 振込先■郵便振替口座 口座名称:「小林勝さんを支援する会」
        口座番号:00140-4-603288
他行からの振込■店名:019 種目:当座 口座番号:0603288
 連絡先■メール:mkoskirr@gmail.com 電話070-5077-7190 
 
活 動■①ホームページ開設 ②集会・シンポジウムなどの開催
    ③裁判傍聴支援 ④「ニュース」の発行 ⑤街頭宣伝・署名 など

呼び掛け文(表)%e6%94%af%e6%8f%b4%e3%81%ae%e4%bc%9a%ef%bc%88%e7%94%bb%e5%83%8f%ef%bc%89%e2%91%a0
呼び掛け文(裏)%e6%94%af%e6%8f%b4%e3%81%ae%e4%bc%9a%ef%bc%88%e7%94%bb%e5%83%8f%ef%bc%89%e2%91%a1

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