【勝訴判決】東京デリバリーセンター事件(トラック運転手過労死訴訟)で労働者性を認めさせ、さいたま地裁で勝訴判決を得ました

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2026年7月15日、さいたま地裁(真辺朋子裁判長)において、トラック運転手の過労死を巡る損害賠償請求訴訟(東京デリバリーセンター事件)の判決言い渡しがありました

当事務所の弁護士 指宿昭一が、伊藤克之弁護士(日野アビリティ法律事務所)とともに遺族の代理人を務め 、会社側の「個人事業主であり、労働者ではない」という責任逃れの主張を退け 、労働者性を認めて安全配慮義務違反に基づき約1800万円の支払いを命じる勝訴判決を得ましたので、ご報告いたします

事例の概要:被災者(当時62歳)は、運送会社「株式会社東京デリバリーセンター」(埼玉県上尾市)において約20年間にわたりトラック運転手として配送業務に従事していました 。2013年11月、過酷な長時間労働が原因で急性虚血性心疾患により死亡し、2019年8月に労災認定を受けました しかし、労災認定後も会社側は遺族に対して補償や謝罪に一切応じず 、そればかりか「会社からの委託を受けて配送を行っていた個人事業主であり、労働者ではない」「休憩時間は毎日3〜4時間あった」などと主張して過労死の責任を全面的に否定し続けました 。そのため、遺族が安全配慮義務違反に基づく損害賠償を求めて民事訴訟を提起していたものです

判決のポイント:判決は、会社側が主張する自動車の賃貸借契約を伴う「業務委託」という形式を認めませんでした 。被災者が一定の業務上の指揮監督を受けて配送業務に従事し、労務の提供に対する報酬が支給されていた実態を重視して、「雇用契約か、これに準じる契約だった」として労働者性(雇用関係)を明確に肯定しました その上で、急性虚血性心疾患の発症前6カ月間の時間外労働が月平均80時間を超えていた過酷な長時間労働の実態を認め、会社の安全配慮義務違反を断罪しました

判決の意義:運送業界をはじめ、形式的には「個人事業主(業務委託・リースドライバー)」の形をとりながら、実態は過酷な長時間労働や指揮監督下で労働者を使い潰し、過労死や事故が起きた途端に「社員ではない」と切り捨てる脱法的な「偽装個人事業主」の手法が社会問題となっています 。 今回の判決は、そうした形式的な契約名目に惑わされず、就労の実態を直視して労働者性を認め、会社の責任を認めたものであり、同種事案における実務および偽装個人事業主問題への指針となるものです。

メディア掲載・関連記事のご紹介

本事件や判決については、メディアでも報じられています。事件の背景や、運送業界における偽装個人事業主の問題点について解説されていますので、ぜひあわせてご覧ください。

・47NEWS(共同通信)

「運転手過労死巡り損害賠償命令 運送会社に1800万円、埼玉」

https://www.47news.jp/14627358.html

・Yahoo!ニュース(今野晴貴氏による記事)

「月残業131時間のトラック運転手が過労死 会社は「うちの社員ではなかった」と責任逃れ」

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/07de55c55a95b352c5dd59e7971151e0c57d4cdc

持病や単身生活を理由とした不当な減額など、控訴審へ向けた課題は残されていますが 、会社側の不誠実な責任逃れを許さなかった司法の判断は、遺族にとって大きな一歩となりました 。当事務所は、今後もすべての労働者の権利擁護と偽装個人事業主問題の解決に向けて全力で取り組んでまいります。

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