3月, 2019年

国際自動車(国際労供ユニオン)事件で勝利命令

2019-03-05

昨年12月10日、国際自動車(国際労供ユニオン)事件で勝利命令を得ました。代理人は谷田和一郎弁護士と指宿です。

国際自動車事件(平成29年不第45号事件)平成30年12月10日
 会社が、組合と労働者供給に関する基本契約(タクシー乗務員の定年後雇用について、労働組合が会社の申し出に応じて組合員を供給すること等を内容とする契約)を締結しないことは、組合員であるが故の不利益取扱い及び組合活動に対する支配介入に当たるとして、救済された例。

命令概要
http://www.toroui.metro.tokyo.jp/image/2018/meirei29-45.html

命令詳細
http://www.toroui.metro.tokyo.jp/image/2018/meirei29-45_besshi.html

判断の要旨
⑴  会社がX組合との基本契約の締結を拒否した本当の狙いは、X組合が取り組んでいる未払賃金訴訟提起の組合活動を阻害し、その中心人物である執行委員長を会社から排除するとともに、未払賃金訴訟の原告となっている同労組の組合員らに対して定年後に再雇用しないという不利益を与えることであるとみるほかない。

⑵  会社は、X組合が組合に影響力を及ぼしているものと考え、X組合を嫌悪したのと同じ理由で組合を嫌悪するとともに、組合の組合員が全員未払賃金訴訟の原告となっていることから、未払賃金訴訟提起の活動を阻害し、その原告である組合員らに対して定年後に再雇用しないという不利益を与えることを企図して、組合との基本契約の締結を拒んだものといわざるを得ない。

⑶  会社は、組合とX組合は実質的に同一であると判断し、基本契約の締結を拒否したと主張する。

  そもそも、会社がX組合との基本契約締結を拒否することに合理的な理由は認められないから、X組合と組合が実質的に同一であったとしても、基本契約の締結を拒否する理由とはならない。

  組合は、独自の規約をもち、執行委員長等の役員を選出し、執行機関、決定機関を有する等自主性を持ち、独自の財源を持ち、独自の活動を行っているもので、独立した組合と認められる。

⑷ 不当労働行為の成否

会社は、未払賃金訴訟を提起した組合員らを会社から排除するために、およそ合理的とはいえない理由を述べて組合との基本契約を締結しなかったものといわざるを得ない。この会社の対応は、未払賃金訴訟の提起という組合活動を阻害し、組合に不利益を与えるものであり、個々の組合員に対しても定年後の雇用が奪われるという不利益を与えるものである。

したがって、会社が、組合と基本契約を締結しないことは、組合員であるが故の不利益取扱い及び組合活動に対する支配介入に当たる。

 

明治大学事件で勝利命令

2019-03-05

明治大学を相手方とする不当労働行為救済申し立て事件で、都労委から勝利命令を得ました。代理人弁護士は指宿です。

明治大学事件(平成28年不第90号事件)平成31年3月4日
 組合員の非常勤講師契約の更新等を議題とする団体交渉において、大学が具体的な説明を行わなかったこと、 及び大学が団体交渉申入れに応じなかったことは、不当労働行為であるとして救済された例。

命令の概要
http://www.toroui.metro.tokyo.jp/image/2019/meirei28-90.html

命令の詳細
http://www.toroui.metro.tokyo.jp/image/2019/meirei28-90_besshi.html
判断の要旨
 ⑴ 本件団体交渉における大学の対応について(争点1)
  団体交渉に先立って、大学として法学部執行部の教授が出席する本件事務折衝が行われた。第2回事務折衝では、組合が、一連の行為についてXが謝罪文を提出することで平成28年度の雇用を認めるよう求めたのに対して、大学は、謝罪文の内容は信頼回復には不十分であり、今後信頼回復の措置が執られるのであれば、28年度の雇用は無理であるが、29年度の雇用を検討する余地はある旨を説明した。また、組合が事務折衝の継続を求めたのに対して、大学は、団体交渉による交渉を求めた。本件においては、このような経緯があることを十分に考慮する必要がある。大学には、上記経緯を踏まえた上で交渉が継続できるような対応が求められていたものというべきである。
 大学は、第1回及び第2回の団体交渉では、Xの雇止め理由について、法学部の判断を支持するという結論を述べるだけで、「教育機関として妥当と判断した」、「一連の総合的な判断を支持した」等の抽象的な説明を繰り返し、法学部が、本件事務折衝の経過を踏まえた上で、Xとの信頼関係を回復できず、同人を雇止めにすると判断するに至った具体的な根拠等について、何ら回答していない。また、大学は、第3回の団体交渉において、Xの雇止めの理由と謝罪文の評価について回答したものの、雇止め決定プロセスや29年度のXの雇用に係る組合の質問には明確な回答をしておらず、信頼関係の回復についての議論になることもなかった。
 本件事務折衝において、大学が、今後信頼回復の措置が執られるのであれば、29年度の雇用を検討する余地がある旨説明していたことからすれば、Xの29年度の雇用に向けた適時の交渉が必要であった。それにもかかわらず、本件団体交渉における大学の上記対応は、組合と法学部が事務折衝を重ねて詰めてきた議論を後戻りさせるものといえ、事務折衝の経緯を踏まえた上で交渉が継続できるような対応であったとは到底いうことができない。大学は、法学部の教授を出席させるか、又は、法学部から十分な説明を受けた理事を出席させ、事務折衝の経緯を踏まえた上での交渉に努めるべきであったといえる。
 したがって、本件団体交渉における大学の対応は、不誠実な団体交渉であったといわざるを得ない。

 ⑵ 大学は、組合の28年9月19日付及び11月11日付団体交渉申入れを拒否したか、拒否したといえる場合に正当な理由があったか否かについて(争点2)
 大学は、28年10月3日付け及び11月28日付けの回答書において、1)第2回及び第3回団体交渉において、法学部教授会決定に至るまでのプロセスを十分説明しており、これ以上団体交渉を重ねても、大学の回答に変化はないこと、2)大学としては、組合が今後の要求の趣旨や争点を明らかにせず、漫然と従前の要求を繰り返す限り、当面団体交渉に応じるつもりはないことを回答している。これは、要求事項について交渉の余地はなく、団体交渉が行き詰まっていることを理由に、組合が従前の要求事項を繰り返す限り、団体交渉に応じる必要がないとの意思を示したものと解釈するほかなく、団体交渉を拒否したものといえる。
 そして、前記⑴で判断したとおり、本件団体交渉において、大学は誠実交渉義務を尽くしておらず、団体交渉が行き詰まりの状態に達していたとは認められないから、大学が組合の28年9月19日付及び11月11日付団体交渉申入れに応じなかったことは、正当な理由のない団体交渉拒否に当たる。

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