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本名で入国したスリランカ人D君が、別人であるCの名前で7月6日に東京入管に収容され、この収容を違法として8月8日人身保護請求を行った。
  
<事件の概要>
 1998年9月14日、スリランカ人D君は、C名義の偽名の旅券を所持して、在留資格を持たないまま日本に入国し、2008年8月25日、強制送還された。この段階で、入国管理局は、D君の名前をCであると認識していた。
 2010年11月4日、D君は、本名Dで日本に入国した。D君は詐欺集団である日本人に軟禁された後、同月25日に警察に連行され、同年12月24日、偽名Dで入国したことが入管法に違反するという理由で起訴され、2011年4月7日、千葉地裁で懲役2年の実刑判決が言い渡され、横浜刑務所で服役した。
 D君は、当初は、自分の本名はDであり、今回は偽名で入国したわけではないことを主張したが、入管職員や警察官から、その旨を主張しないように説得され、また、刑事裁判では執行猶予が付くので不利益ではない旨を聞かされて、やむなく偽名で入国したという虚偽の自白をしていたものである。2013年2月6日、D君は東京入管に移され、同日、退去強制令書が発布された。
 その後、D君は東京入管から仮放免された。その後、スリランカ大使館は、スリランカ政府の調査に基づき、D君はCではなく、Dであることを認めて、パスポートを交付し、その事情を説明する文書を東京入管に送付している。なお、C氏は、現在、スリランカに居住しており、日本に入国したことはない。
  ところが、東京入管は2017年7月6日にD君を収容したので、人身保護請求による身柄解放を追及する。

<補足説明>
2013年7月31日、D君は、①入管法違反の認定が無効であることの確認、②退去強制令書発布処分が無効であることの確認、③原告に在留特別許可を出すこと(義務付け)を求めて、東京地裁に提訴した(民事3部・平成25年(行ウ)481号事件)。
 3年間に及ぶ審理の中で、D君は、在日本スリランカ大使館から返却を受けた本人名義の旅券(パスポート)や出生証明書、かつての偽名である「C」の本人の身分証明書や運転免許証等を提出した。
 2016年7月20日、東京地裁民事3部(舘内比佐志裁判長=現在・法務省 訟務局長)は、原告の請求を一部却下し、それ以外を棄却した。判決は、その理由として、「本件において、原告の身分事項や今回旅券に関するスリランカ大使館の対応は、一貫性を欠いたものといわざるを得ない」、「原告への今回旅券の返却についても、・・・スリランカ大使館等において、原告がDであることを十分な根拠に基づいて判断したうえでされたものとまで言うことも困難である」などと述べている。
 D君は、控訴したが、東京高裁第10民事部(大段亨裁判長)は2017年1月19日、控訴を棄却した(平成28年(行コ)第294号)。同判決は確定している。

「偽名」トラブルで東京入管に収容されたスリランカ人、東京地裁に「釈放」求める(Yahoo!ニュース/弁護士ドットコムニュース)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170808-00006486-bengocom-soci

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