解雇を避けるために退職届に署名するように求められたら

 外資系企業の労働者が、解雇理由などないのに、「解雇する。これを避けたければ、退職届に署名をせよ。署名しないと退職金は支払われないし、パッケージも一円も払わない。」などと言われて、退職届に署名してしまうことがあります。
 このような時に、署名をしてはダメです。はっきりと拒否するか、せめて、「弁護士に相談してから、署名するかどうかを決めるので、時間をください。」と言って、1週間程度の猶予をもらって、その場では署名をしないでください。
 署名をしてしまうと著しく不利になります。このような署名は真意に基づかないものであり、法律的に有効な署名ではないと思われますが、署名した時の状況を立証するのが困難ですし、仮に、状況を立証する録音などがあっても、有効な署名であると判断されてしまう危険があります。
 これに対して、解雇は、労働者の同意なく、一方的に使用者が労働契約を解約する意思を表示するものですから、解雇理由がないか、あったとしても、解雇が客観的に合理的で社会的に相当でなければ無効になります。使用者は、簡単に労働者を解雇できないのです。だからこそ、脅したり、だましたりしてでも、退職届に署名をさせようとするのです。

ポイント 解雇を避けるために退職届に署名するように求められたら、拒否する。
     少なくとも、その場で、署名はしない。
     「弁護士に相談してから、署名するかどうかを決めるので、時間をください。」と述べる。

*これは、外資系企業に限らず、他企業の労働者にもいえることです。
 

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