チャーター機を使った一斉強制送還による人権侵害に対して人権救済申立て

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 昨日(11月16日)、スリランカ人等をチャーター機で一斉強制送還したことによる人権侵害事件について、日本弁護士会連合会に人権救済申立書を提出しました。申立人は、強制送還されたスリランカ人3名(男性)とそのうち1名の妻、仮放免者の会共同代表(各国・地域のリーダー)8名です。申立人らの代理人(弁護団)は高橋ひろみ、駒井知会、指宿昭一の3人です(仮放免者の会顧問弁護士)。
申立後に、弁護士会館内で記者会見を行い、マスコミ3社が取材に訪れました。

申立前日弁連へ
■事案の概要
1 チャーター便送還の概要
2014年12月18日、スリランカ国籍の26名とベトナム国籍の6名、計32名の非正規滞在者がチャーター便によって強制送還された。同送還の被送還者には,少なくとも難民認定申請を行っていた者が複数名含まれていた。
2 申立人らからの事情聴取
弁護団は、申立人であるスリランカ人被送還者3名からヒアリングを行った。
3 本件送還の人権侵害性
  本件送還は、以下の人権侵害行為が含まれる強い疑いがある。
(1)難民認定取消等請求訴訟を行う手段を封じられたことにつき、「裁判を受ける権利」の侵害(憲法32条)
(2)日本に在住する妻子との分離を強いられたことにつき、児童の最善利益・家族結合の権利の侵害(児童の権利条約3条1項、同9条1項、自由権規約17条1項)
(3)生命・自由が脅かされかねない難民等を送還したことにつき、ノン・ルフルマン原則違反(難民条約、拷問等禁止条約、入管法)
(4)送還の態様につき、人道的かつ人間の固有の尊厳の侵害(自由権規約10条1項)
4 申立事件の処理の要望
(1)日弁連による補充調査
 可能な限り多くの被送還者に対する聴取調査
 在日・在スリランカの家族への聴取調査
 法務省入国管理局の照会
(2)法務大臣・法務省入国管理局に対して発することを求める警告等
 裁判を受ける権利を侵害する送還の禁止(出訴期間中の送還禁止)   
 ノン・ルフルマン原則をはじめとする国際人権法に反する送還の禁止
 家族の分離を伴う送還の禁止
 難民認定申請者の個人情報及び難民認定申請を行った事実を本国関係者に通告することの禁止
 送還前にあって弁護士及び家族・友人のアクセスを確保されない送還の禁止
 被送還者の尊厳を犯す方法での送還の禁止
以上

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