人身取引被害者のスリランカ人ら・未払賃金・損害賠償を求めて提訴(浜松)

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昨日、静岡地裁浜松支部に提訴に行き、記者会見を行いました。人身取引被害者のスリランカ人2名が未払賃金と損害賠償合計約294万円を求めた事件です。

原告らは、日本人が代表を務めるスリランカの人材あっせん会社に斡旋料約260万円を支払い「3年間の在留資格を取ることができ、仕事は1日計8000円もらえる」という条件で入国ましたが、実際には90日間の短期滞在の在留資格しか取得できず、解体作業の仕事先で支給されたのは1日に2000円だけでした。しかも、在留資格の更新も変更もしてもらえず、非正規滞在(オーバーステイ)になってしまい、半年働いた後に入国管理局に収容され、その後、約10ヶ月も収容が続きました(現在は、仮放免中)。

彼らは国際組織犯罪防止条約人身取引議定書や入管法の「人身取引」被害者にあたります。しかし、入管は、彼らを単なる入管法違反者としてしか扱ってきませんでした。仮放免後、彼らは、日本労働評議会に加入し、会社に未払い賃金を請求する交渉をしてきましたが、支払われませんでした。また、斡旋会社の代表者とは連絡がとれない状況です。

そこで、今回、訴訟で、会社に対して未払い賃金の支払いを求め、斡旋会社代表に対して不法行為に基づく損害賠償を求めます。

このように、だまされて日本に入国して、低賃金で働かされている人身取引被害者は数多くいますが、これまで、訴訟までなることはほとんどなかったようです。また、このような労働させる目的のための人身取引を労働搾取のケースといいますが、日本では、これまで労働搾取のケースは注目されてこなかったと思います。

この訴訟を通じて、労働搾取の人身取引事案における問題を明らかにし、また、原告らの権利救済を図っていきたいと思います。

<新聞記事>提訴:スリランカ人、「人身取引」訴え 1日2000円、半年労働−−地裁浜松支部

毎日新聞 2013年03月19日 東京夕刊

http://mainichi.jp/select/news/20130319dde041040054000c.html

<日本労働評議会のブログの記事>

労評静岡 スリランカ人「人身取引」事件提訴 一日2千円で1年半働かせる

http://www.rouhyo.org/news/197/

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