市民アカデミア2014で外国人労働問題についての講座

2014-11-29

大阪経済法科大学東京麻布台セミナーハウスで、以下の講座を行います。
http://www.keiho-u.ac.jp/academia14/renzoku4.html

外国人から考える日本で「働くこと」と「生活すること」――労働法と社会保障法の視点から
コーディネーター:奥貫妃文(大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター客員研究員、相模女子大学専任講師)
開講日:12月12日(金)、1月9日(金)
開講時間:午後6~8時

 いま、政府や経済界を中心に、外国人労働者の受け入れ論議が盛んである。少子高齢化にともない人口減少社会となる日本の救世主として外国人労働者を活用しようと、様々な案が出されている。しかし、将来の話をする前に、現在すでに多くの外国人が日本社会で暮らし、学び、働いている。さて、日本社会は、目の前にいる外国人にとって暮らしやすいだろうか。平等は確保されているだろうか。差別に苦しむことはないだろうか。見えない壁を感じることはないだろうか……。この講座では、「労働」と「社会保障」という2つの観点から、外国人を取り巻く日本の法制度や政策について学び、これからの道筋を一緒に考えてみたい。

第1回:12月12日(金) 午後6~8時
外国人が日本で「働く」とき、何が問題になるか ――在留資格と有期雇用問題、外国人技能実習制度、ダイバーシティ政策の落とし穴
講師:指宿昭一(大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター客員研究員、弁護士)、奥貫妃文(大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター客員研究員、相模女子大学専任講師)

《講義内容》
 第1回では、現在、日本に70万人以上いると言われる外国人労働者が抱えている問題について考えてみたい。まずは、外国人労働者に対する均等待遇原則がどこまで現実に機能しているのか、現実に起こっている事象から検証する。とくに、在留資格や在留期間という、日本人にはない外国人特有の事情が、雇用形態や労働条件に与える影響について、重点的に取り上げる予定である。これまでに積み重ねられてきた外国人労働者に関する判例を紹介しながら、労働法の「意義」と「限界」、双方向から考えてみたい。
 本講座では、日本で働く外国人労働者をゲストスピーカーとして招き、リアルな声を聞きながら、参加者とともにざっくばらんに議論を進めていく予定である。また、いわゆる「ポイント制」や「高度外国人人材の優遇」、「家事労働者、技能実習生の活用拡大」など、続々と出されている政府・経済界からの外国人労働者政策案の最新動向を踏まえながら、それらの問題点について考える。

《講師プロフィール》
指宿昭一(いぶすき・しょういち、弁護士)
大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター客員研究員、弁護士、外国人技能実習生問題弁護士連絡会共同代表、外国人労働者弁護団共同代表、日本労働弁護団常任幹事。中小零細企業、非正規及び外国人労働事件(労働側)を専門とする。共著に『外国人研修生 時給300円の労働者2 ―使い捨てを許さない社会へ―』(明石書店)、論文に「外国人技能実習制度の廃止とあるべき外国人労働者受入れ制度」『労働法律旬報』(1806号、2013年)、など。

奥貫妃文(おくぬき・ひふみ、相模女子大学専任講師)
中央大学大学院法学研究科民事法専攻博士後期課程修了(労働法ならびに社会保障法専攻)。現在、大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター客員研究員、相模女子大学人間社会学部社会マネジメント学科専任講師。また、東京社会福祉士会低所得者支援委員会委員、多国籍合同労働組合である全国一般東京ゼネラルユニオンの執行委員長も務める。

第2回:1月9日(金) 午後6~8時
外国人が日本で「生活する」とき、何が問題になるか ――年金、医療、生活保護制度
講師:指宿昭一、奥貫妃文
コメンテーター:川崎航史郎(大阪経済法科大学非常勤講師)、ルイス・カーレット(全国一般東京ゼネラルユニオン書記次長)

《講義内容》
 第2回では、日本で暮らす外国人の社会保障、社会福祉がどうなっているのか、検証する。具体的には、健康保険、年金、生活保護の3つの制度を取り上げる。健康保険ならびに厚生年金については、入りたいのに事業主が入れてくれない、という声がとても多く、加入をめぐって訴訟も提起されている。本講座ではその訴訟の詳細を明らかにしながら、問題の所在を明らかにしたい。また最近、「外国人が生活保護を不正受給している」等の言説が広がっているが、はたしてそれは真実なのだろうか。誰もが安心して生活を営む権利を保障されるべきなのに、なぜ「外国人」であることだけをもって、そこに差異を設けるべきとの主張が生まれるのだろうか。社会保障の「内外人平等原則」が根底から覆るような近年の議論はどこから生まれるのだろうか。これらの疑問について、参加者の皆さんと共に考えてみたい。
 本講座では、日本に生活の基盤をもち、中長期的に日本で暮らしている外国人をゲストスピーカーとして招き、リアルな声を聞きながら進めていく。

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