ベルリッツ外国人語学講師社会保険加入資格喪失事件勝訴!

2016-06-17

1 事案の概要
  語学学校ベルリッツの外国人語学講師(40分×週35レッスン担当)が、労働時間の減少を理由に厚生年金保険加入資格を喪失し、これを不服として資格確認請求をしたが却下され、これに対する審査請求、再審査請求も棄却されたので、却下処分の取り消しを求めて提訴した。
  *東京地裁民事3部B2係(合議事件)
平成24年(行ウ)第54号被保険者資格確認請求却下処分取消請求事件
原告 カナダ人男性(外国語英語講師)在留資格:人文知識・国際業務(当時)
被告 日本年金機構
2 争点
(1)「内かん」もしくはその運用の違法性
(2)「語学学校に雇用される外国人講師係る健康保険・厚生年金保険の適用について」(課長通知)もしくはその運用の違法性
(3)1レッスン(40分)の労働時間をどのように認定するか?
(4)常勤講師の労働時間の4分の3に満たない講師に社会保険加入資格が認められるか?
3 判決主文(勝訴)
(1)原告の日保険者資格の確認請求を却下する旨の処分を取り消す
(2)訴訟費用は被告の負担とする
4 判決要旨
(1)「内かん」は適法
(2)「語学学校に雇用される外国人講師係る健康保険・厚生年金保険の適用について」(課長通知)は適法
(3)各1レッスン(40分)前の5分は労働時間と認める
(4)労働日数、労働時間、就労形態、職務内容等を総合的に勘案すると、原告を短時間の労働者として被保険者から除外するのは相当ではない
  ・原告の労働日数は常勤講師のものと変わりがない
  ・報酬の額も、十分に家計を支えることができる額であった
  ・事業主との雇用関係も安定していると評価できる
5 コメント
 判決が、法律の授権がないのに勝手に厚生年金の被保険者資格を狭くしている「内かん」が違法であることを認めず、また、語学学校の外国人講師にのみ被保険者資格を狭くしている課長通知の違法性を認めなかったことは極めて残念です。しかし、語学学校講師のレッスンの労働時間を広く認定し、また、比較対象の労働者の4分の3未満の労働時間の労働者に厚生年金の加入資格を認めたことには意義があり、語学学校講師の社会保険に加入する権利を一歩前進させた判決であると思います。
 
・本件の代理人弁護士は、中井雅人と私(指宿昭一)です。

[特集]非正規労働者と外国人労働者の社会保険加入の権利(労働法律旬報No.1833 2月上旬号)
    =木下秀雄/川崎航史郎/奥貫妃文/ルイス・カーレット
http://www.junposha.com/catalog/product_info.php/products_id/976

[特集]短時間労働者の社会保険加入資格―日本年金機構(ベルリッツ)事件判決を受けて(労働法律旬報No.1874 10月下旬号)
    =木下秀雄/指宿昭一+中井雅人/ルイス・カーレット/奥貫妃文
http://www.junposha.com/catalog/product_info.php/products_id/1128

年金加入資格 外国人講師勝訴(NHKニュース)
http://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20160617/3224111.html

外国語講師 労働実態踏まえ社保加入認める…東京地裁判決(毎日新聞)
http://mainichi.jp/articles/20160618/k00/00m/040/112000c

英会話講師の年金資格認定判決 「労働日数、常勤と同じ」(共同通信)
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2016061701001987.html

記者会見の映像
https://youtu.be/Db-AV45jPWY

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