ブラック企業と闘う「ダンダリン 労働基準監督官」

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 ブラック企業と闘う労働基準監督官を描いたテレビドラマ「ダンダリン 労働基準監督官」が始まった(日本テレビ水曜ドラマ。10月2日(水)より毎週水曜日22時~23時)。原作は、マンガ「ダンダリン101」(原作 とんたにたかし、漫画 鈴木マサカズ)。第1話を観て、元気が出た。お薦めです。
  ダンダリンとは、段田凛という女性監督官のこと。労働基準監督官が主人公になったテレビドラマは初めてだろう。段田凛は、労働基準法違反を許さず、徹底して闘う監督官だ。
 
第1話 働く人を守りたい…ブラック企業に制裁を 10月2日放送 (視聴率11.3%)
  第1話は、残業代不払いについて、労基署の指導に従わない悪質な経営者を逮捕する話。監督官は特別司法警察官だから(労基法102条)、逮捕権限はあるし、悪質な労基法違反で逮捕される事例も存在する。そういうことを、世の中に知らしめたという意味で、このドラマが放映されたことは意味があると思う。労基法違反で罪に問われたり、逮捕されることがないと思ったら大間違いなのである。
  第1話のラストで、段田凛(竹内結子)が、「(労働)条件は、労働者と使用者が、対等の立場において決定すべきもの(である)」という労基法2条1項(労働条件の対等決定原則)を諳んじて、それを聞いた労働者が社内で残業代の申告するというシーンがあり、ちょっとグッときた。また、被疑者の逮捕のため、ヘルメットを被り、厚生労働省のロゴの入った作業着を着た段田凛が雨の中を泥だらけになって匍匐前進で進み、それに同僚たちが続くシーンは格好良かった。マンガの原作では、このシーンで、スーツを着た段田凛が一人で被疑者に向かっていくが、ドラマは良い脚色をしている。
 残業代不払いは長時間残業の温床になり、過労死にもつながる犯罪行為である。そういう労働基準法違反と闘う監督官のドラマが放映されるのは、今の時代の要求にかなっていると思う。次は、ぜひ、労働弁護士を描くドラマを作って欲しい(原作を書く人がいなければ、私が書きます。)。
 
第2話 女ナメんな内偵24時! セクハラ社長に唸れ!! 10月9日放送 (視聴率7.8%)
  第2回も観ました。テーマは、セクハラと名ばかり店長の残業。セクハラは労働基準監督署の管轄でないことを指摘された段田凜が、「そんなことは、もちろん、分かっています。でも、働く人間の権利を守ることが私たちの仕事の根っこですよね。」と切り返すシーンが良かった。
 
  原作のマンガの第6話(最終回)は、外国人研修・技能実習生が時給400円以下で残業をさせられている会社に対して、段田凜たちが深夜臨検を行う話でした。ぜひ、これもドラマでやって欲しい!
 
 
「ダンダリン101」の101は、労働基準監督官の権限を定めた労働基準法101条のこと。
 
 J-CAST テレビウオッチ
<ダンダリン 労働基準監督官>
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