国際自動車(国際労供ユニオン)事件で都労委が不当労働行為救済命令

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国際自動車(国際労供ユニオン)事件で都労委が不当労働行為救済命令
                2018年12月10日、命令書交付
事件番号 東京都労働委員会・平成29年(不)45号
(2017年6月19日受付、2018年11月6日命令)
 東京都労働委員会は、2018年12月10日、国際労供ユニオンの申立てを全面的に認め、以下を主文とする命令書を交付した。
1 被申立人国際自動車株式会社7社は、申立人国際労供ユニオンと、労働者供給に関する基本契約を締結しなければならない。
2 被申立人各会社は、前項を履行したときは、速やかに当委員会に文書で報告しなければならない。
<事件の概要>
 被申立人は東京のタクシー会社大手の株式会社国際自動車(同名の会社7社・KMグループ)。申立人は、同社の運転手が組織する労働組合である。
 被申立人は、多数派の労働組合である国際労働組合との間で、労働者供給基本契約を締結し、65歳定年後には、同労組から労働者供給をするという形式で、1年単位の定年後再雇用が行われていた。
被申立人において少数派の労働組合・全国際自動車労働組合(以下、「国際全労」が結成され、被申立人の賃金規則は実質的に残業代が支払われない違法なものであると主張して、未払残業代の支払いを求めて団体交渉を行い、被申立人が応じないので、東京地裁に提訴した。同訴訟は第1次から第4次までに及び、原告は200人を超えている。同事件第1次訴訟、第2次訴訟は最高裁に係属中である。
被申立人は、国際全労を嫌悪して、国際労働組合とは締結している労働者供給基本契約を締結しないため、国際全労組合員は定年後の再雇用が果たせないという差別的状況が続いている。被申立人は、国際全労には、被申立人の従業員以外の者(元従業員)が委員長に就任していることを理由に、国際全労との労働者供給基本契約の締結を拒んでいる。
そこで、国際全労組合員たちが、被申立人の従業員のみで国際労供ユニオンを結成して、被申立人に労働者供給基本契約の締結を求めたが、被申立人は「国際労供ユニオンと国際全労は同一の組織である。」と主張して、同契約の締結に応じない。
そこで、申立人は、被申立人による申立人との労働者供給契約の締結の拒否が、組合に対する支配介入および組合差別による不利益取扱いに該当することは明白であり、労働組合法第7条1号および同3号に違反する不当労働行為に当たることは明らかであるとして、「被申立人らは、申立人との間で、労働者供給に関する基本契約を締結しなければならない。」という命令を求めて、2017年6月19日、東京都労働委員会に不当労働行為救済申し立てを行った。
2018年12月10日10時に、東京都労働委員会は命令書を交付した。

タクシー7社、不当労働行為 都労働委(朝日新聞)
2018年12月11日05時00分
https://www.asahi.com/articles/DA3S13805923.html
タクシー大手の国際自動車の関連7社(東京)が、少数派の労働組合「国際労供ユニオン」と定年後の雇用契約を結ばないのは不当労働行為だとして、東京都労働委員会は10日、7社にユニオンと雇用契約を結ぶよう求める命令を出したと発表した。

国際自動車事件命令書交付について(東京都)
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2018/12/10/03.html

国際自動車(国際労供ユニオン)事件で都労委が不当労働行為救済命令(レイバーネット日本)
http://www.labornetjp.org/news/2018/1210kokusai?fbclid=IwAR3qJUc8Gifwi8pEy6jOxFobnpgHvSZRoWypgdcDuN5b1A4KhIQqEwWJ6Rs

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